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師走の公園

 雨予報の朝、師走に霜月初旬の生々しい風が吹き荒れていた。帽子も被らずに外出したことに後悔するほど髪の毛も舞い上がった。残り少なくなったイチョウやカエデの葉も雪が舞うように落ち、木々の衣はますます剥がされてゆく。既にすっかり剥がされた木もある。かと思うと春の訪れを告げるかのように芽吹いている木もある。

 朧太陽が時折顔を出してはまたすぐに隠れた。足元のイチョウの絨毯を蹴りながら歩を進めると、グランドを散歩する犬たちの結集しているのが見える。赤い腹巻をした小犬が玩具のように走り回っている。少し大きい犬がそれを追いかけていた。飼い主たちの会話の仲間入りしている犬もいる。厳冬には味わえない”今”というひと時を寛いでいる。

 公園の小さな丘を望むと痩せた木立が背景の街を顕わに映しながらも赤と緑と黄色の点描で秋の残影を楽しませてくれる。
 大木に寄りかかると、木々たちといつもとは違う裸の語らいが出来たような気がした。気だるそうなカラスの鳴き声を聞きながら帰路を楽しんだ。
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