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詩「ひと粒のさくらんぼ」


                 
そこはグループホームのリビング兼食堂
入居者のお年よりは誰もいない
皆、食前の体操のために庭に集まっている
テーブルには人数分のランチが既に並んでいる

今日の当番のコックさんは男性ヘルパー
ひとりキッチンに立っている

ボランティアを終えた私は
このリビングを通過するために中に入ると
コックさんはひと粒のサクランボをボールから取り出し
高く掲げて私に差し出す

私はこの意外な瞬間にワクワクし
キッチンに引き寄せられる
サクランボの茎をつまみ取ると
天高く掲げて口に入れる

甘酸っぱい果肉が口の中に広がり
顔がほころぶ
「美味しい?」
「美味しい!」
心にポット灯が灯る
優しさに包まれた光が私を包む

体操を終えたお年寄りが
リビングに戻ってくる
元気で明るいエネルギーが部屋一杯にあふれる
年輪を刻んだ幸せそうな笑みは
希望に満ちた青春のよう

ヘルパーたちの放つ
優しい思いやりの心が
残されたいのちに希望の光を注ぐ

入居者のお年寄りは今を生きている
そして私にも幸せのお裾分けを

                                   ゆう
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