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優しい時間「七」

「皆で生け花」                        やなぎゆう


      美はしき花に憧るる人こそは
               花にも似たる心持つなれ


 
 この歌を詠んだ華道山月の開祖・岡田茂吉師は、花は神の造られた最高の芸術品であり、「いかなる場所にも花があるようになれば人々の心を癒すうえで大きな効果がある」と述べています。

 万寿の森グループホーム「皆で活け花」をはじめて四ヶ月、四つ目のグループホームを訪ねました。谷合の地形を生かした建物は、細い玄関通路をぬけると階下にダイニング・リビングルームになります。ベランダからは雑木林と菜園が広がる中、6人のお年寄りが三々五々寛いでおられました。

テーブルに新聞紙を広げ、施設内に咲いている花いっぱい並べると、オアシスの入った花器には一輪また一輪と二人の手によって盛り上がっていきます。花たちは自分たちの役割を健気に演じてくれているようです。華道に精通していた人もおられます。草月流ですかと聞くと黙って頷いていました。もう忘れてしまいましたというお年寄りもおられます。生け花の経験はないけれど楽しそうににこにこと活けているお年寄りも、また花器を前にヘルパー任せのお年寄りもおられ、十人十色の光景を楽しませていただきました。
やがて三組目の花器には、外出から戻ってきたお年寄りの締めの一手で完成、二人一組で三つの花器に花の森が出来上がりました。

 開祖の流儀は、できるだけ自然を生かし、花の持っている素晴らしさを最大限に生かしていくことにあります。幸いこの施設には自然がいっぱい。多くのボランティアによる庭の手入れも行き届き、名の知れぬ花たちが咲き誇っています。その花の名を調べるのも楽しみのひとつです。活け花の心は自然を尊重し、花本来の力を引き出して、日々の暮らしの中でみんながそれに浴していくことです。そこから培われた心は「活け花」文化に留まらず、言葉にできないくらい心の変化が期待できます。
お年寄りだけでなくグループホームで働く人たちの心にもどのような変化が現れるかも楽しみとなります。

 自然の花は自然の香りがする。
 豪華に活けられた。
 ヒマワリが小さく改良されていて活けやすい。
 黄色があざやかで好い
 自然の花は優しく、配色も優しい
 お花が喜んでいるみたい
 慰めてくれているようでとても気持ちがよかった

お年寄りの感想を窺い、活ける前後の心の変化がうれしく感じられました。
そして最後に、他の棟と同様に「おめでとう」の歌を歌いました。一人一人に自分が活けた花をかかえていただき、
「花束だいてるあなた あなたが咲かせた花みたい 
おめでとう おめでとう おめでとう」
「花束だいてるあなた あなたの笑顔も花みたい
おめでとう おめでとう おめでとう」
皆一緒にラララララララ -------
みんなの心が一つになって大合唱です。

 車椅子で俯いていたご高齢のお年寄りも顔を上げて赤ちゃんのような唇を動かしていました。きっと一緒に歌ってくれたのでしょう。
ありがとうございました。

この日活けた花は
ヒマワリ、アジサイ、カマクラヒバ、ギボウシ、ムラサキサルビア、ハーブ、ペチュニア、コリウス、ローズマリー、ダリヤ、ハッカ、ヤマゴボウ、マリーゴールド、プルンバーゴ、シキミア、アゲラータム、トベラたちでした。

              2012年8月12日(日)みずき棟にて
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