詩「タップ、オーケストラと融合」 

     宇宙のかなたから
     タップの妖精がやってきた
     地球を探索するかのように
     足音を忍ばせて

     やがて雷鳴とどろき
     クレッシェンド デクレッシェンド
     紡ぎだされた音は
     オーケストラと融合する

     観客は魂を震わせ
     虜になる

     オーケストラをバックに鳥のように舞う
     タップダンサー
     足と大地から紡ぎ出されるリズムは
     タップの奏でる音楽

     ヴァイオリンとささやき
     チェンバロと歌い
     コントラバスと舞う
     シンバルとクライマックスを演じる

     魂を揺さぶる響きは
     愛と覚醒を呼び覚まし
     想像の世界へと導く
     命のコラボレーション

     ダンサーは言う
     まだ見ぬ完成のカタチに向ってすべてをこの床にと

     時空を超えて
     未来に扉を開く
     魅惑の芸術に
     心惜しみなく
     拍手をおくろう
                                   ゆう

             熊谷和憲x東京フィルハーモニー交響楽団
             8/31公演を観て

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詩「私たち 疲れたの」

                     
     混声合唱団はうたう
     お腹をふくらませ、口を立てに大きく開け
     息は声となって一気に吐き出す
     下半身に力を入れ
     上半身は力を抜き
     目を大きく開けて微笑む

     ソプラノは空
     アルトは海
     テナーは山
     ベースは大地

     黒い目よ麗しく 激しくも燃えあがる
     ホール ニュー ワールド
     目を開いて この広い世界を
   
     高齢者合唱団
     呼吸を合わせ
     青春をうたう

     コンダクターの指導の鞭
     愛の鞭 はげしく
     張りつめたこのひととき
     やがて肉体がささやく

     「私たち 疲れたの」
     コンダクターは 
     若きピアニストに目配せする


     目を閉じて
     ショパンのノクターンを聴く
     心に泉が湧き
     胸が潤う
     愛の絆ふくらみ
     生きる希望を再び胸に
                                  ゆう

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詩「歌声よ時空を越えて」

                  
     とある混声合唱団に出会った
     58歳から92歳の団員55名
     華やかな衣装を身に纏い
     舞台を彩る

     私の心は
     溢れ出る歌声の
     ひとりひとりの青春に思いを馳せる

     優しく力強いタクト
     みつめる笑顔
     顔いっぱいに開けた口
     時空を越えた青春に輝く

     この街で生まれ
     この街で育ち
     この街で愛が生まれ
     この街でいのちを育む

     今再び青春が蘇り
     希望の光が流れる

     私はいつの間にか
     愛の泉に引き寄せられ
     心の望むまま身を任せ

     やがて門をたたく

                               ゆう

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詩「ひと粒のさくらんぼ」


                 
そこはグループホームのリビング兼食堂
入居者のお年よりは誰もいない
皆、食前の体操のために庭に集まっている
テーブルには人数分のランチが既に並んでいる

今日の当番のコックさんは男性ヘルパー
ひとりキッチンに立っている

ボランティアを終えた私は
このリビングを通過するために中に入ると
コックさんはひと粒のサクランボをボールから取り出し
高く掲げて私に差し出す

私はこの意外な瞬間にワクワクし
キッチンに引き寄せられる
サクランボの茎をつまみ取ると
天高く掲げて口に入れる

甘酸っぱい果肉が口の中に広がり
顔がほころぶ
「美味しい?」
「美味しい!」
心にポット灯が灯る
優しさに包まれた光が私を包む

体操を終えたお年寄りが
リビングに戻ってくる
元気で明るいエネルギーが部屋一杯にあふれる
年輪を刻んだ幸せそうな笑みは
希望に満ちた青春のよう

ヘルパーたちの放つ
優しい思いやりの心が
残されたいのちに希望の光を注ぐ

入居者のお年寄りは今を生きている
そして私にも幸せのお裾分けを

                                   ゆう
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詩「雨脚が踊る中を」

  
     曇り空の昼下がり
     友人と散歩に出る
     名もない小径で
     名も知れぬ花に出会う

     小学校の横の長い石段を登ると
     そこは御伽の国
     ルピナス・ホタルブクロ・トケイソウ・・・・
     色鉛筆で描いたような花たちが
     御伽の国の家々を囲んでいる

     小径を横切ると
     木立に囲まれた憩いのオアシス
     遊び名人の小人たちが
     思いっきりボールを蹴っている

     突然 予報どおりの雨
     空からいっきに落ちてくる
     小人たちは一目散に
     御伽の国へ消えていく

     取り残された友人と私
     二つ並んだ雨傘は
     ゆっくり御伽の国を出る

     アスファルトに叩きつける雨脚が
     背丈を伸ばして踊る中
     靴を浸して家路を急ぐ

     濡れ鼠で家に入ると
     雨は上がった

     路の端で失敬してきた
     金糸梅が
     花瓶の中で笑う
                                 ゆう

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詩「初夏は四緑木星」

   
                  
     繁茂した樹木
     風に揺れる緑葉
     早春の息吹を蓄えて
     逞しくそして頼もしく
     成長した初夏

     遥か遠くから
     風が情報を運んでくると
     梢は囁き
     森の仲間に伝える

     繁る樹々は社交の場
     おしゃべりな小鳥たちを誘って
     演奏会に忙しい

     成長した深緑の世界は
     宇宙に宿る九つの星の東南に定められた
     心豊かな星
     四緑木星の季節

     八方美人にならないように
     たまにはそっと目を閉じて
     心静かに瞑想を

                               ゆう

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鶴見川源流はバクの鼻 

      
     夢を食べる動物「バク」
     鶴見川流域はバクの姿に似ている
     その源流はバクの鼻先
     人々は動物に喩えて親しんでいる

     六千年前
     雨のしずくが川となり
     川が海と交わって
     鶴見川は生まれる
     流域は古の人々の生活を支えてきた

     町田市の北部
     小山田町の田中谷戸
     クヌキやコナラの雑木林が
     多摩丘陵を造型する
     水田や畑が広がり
     民家が点在する田園

     大地より湧き出ずる清流
     泉のひろばを創る
     イネ科の植物が生息し
     アブラハヤは澄んだ水にいのちを受け継ぐ
   
     1989年 
     川崎水道の地下工事により
     源流の泉が枯れる
     人々はハヤ救出作戦にでる
     泉と源流は守られ
     ハヤ救出は成功する
 
     再び泉の枯渇が懸念される
     多摩丘陵ニュウータウンの造成計画は
     農とみどりのふるさとづくりに変わる

     源流を守る人々の思いが
     泉に生命を吹き返した

     人々は木道を作り
     足を泉に浸し
     水辺の生き物を守る
     草を取り、ひろばを清掃する
     子供からお年寄りまで
     今日も汗を流して
     源流の泉を守る

     自然を守るため   
     いのちを未来に繋げるために
     今を守る

                                        ゆう

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詩「春は三碧木星」


               やなぎ ゆう

     青緑の若草
     新緑の若葉
     冬のカラをやぶって
     優しくそして力強く
     萌え出ずる春

     初恋のように
     少しはにかみながら
     心ときめかせ
     この地球(ほし)に誕生する

     進取の気性と若さ溢れる行動力を備え
     夏に向って
     逞しく命を育む

     雨に打たれても優しく揺れ
     眩い光に輝き
     小鳥たちに憩いの場を与える


     一面の萌黄の世界は
     宇宙に宿る九つの星の東に定められた
     青春の星
     三碧木星の季節

     急がないで
     ゆっくりゆっくり
     若葉を伸ばしてください



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詩「四月の画像」

              やなぎ ゆう

   今、雲海の幕が開き
   丹沢連峰が蒼色に映え 姿を現す
   雲の帯 山の肌に漂う

   連山の裾野に
   萌黄色の木々たちが
   モーグルのように
   モコモコと躍動する

   柔らかい桜色が
   萌黄の水彩にちりばめ彩りを添える

   画像はスクロールされ

   樹木の中に浮かぶ
   白い箱の積み木
   リゾートのように
   静かに佇む

   赤い若葉の紅要黐 (ベニカナメモチ)が
   アクセントの生垣ラインを描き
   朝日に透けて輝いている


   突然、眼下に大きな箱
   クリックすると
   スーパー銭湯の茶色の屋根が現れ
   煙突から立ち上る微かな湯気に
   瞬きすると
   朝のカーテンを開けた
   私がいる



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詩「朝靄の中を」

     朝靄の滴をあびて
     ひっそり佇む銀杏並木
     靄に霞む太陽
     若葉に微かな光をそそぎながら
     静かに登ってゆく

     霞の中に現れた二つの影
     人と犬のシルエットとなって通り過ぎる
     空は次第に霞のベールを溶かし
     コバルトブルーに塗り替えられる

     鳥たちは
     忙しく餌をついばみ
     舞い降りた鳩は
     私と小径を譲り合い
     遠慮がちに遠ざかる
     猫は大きく口をあけて
     私を引き止める

     茂みの小径を抜けると
     歩道橋の向こうに
     お伽の国のような家々が
     朝焼けのなかに姿を現し
     まだ眠る人々を守るかのように
     静かに佇んでいる

     新聞配達のバイクの音が
     一日の始まりを告げてゆく
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